建物主となる人へのご提案

建築では、施主側のどんな希望でも取り入れ可能です。しかし、時としてコストアップにつながったり技術的な問題で機能の低下につながる危険を含んだりしています。また、誤解の無いようはじめに建物ごとの機能や用途、将来計面等について家族や従業員も交え十分な打ち合せを行なうことが必要です。

建物は、人間と同じで生まれた瞬間から老化が始まります。おまけに、建築を取り巻く社会環境がどんどん変化していくために、劣化とともに機能の陳腐化(時代遅れ化)も起こってきます。

建物を計画し、建設、維持管理していく上で、長期的視野にたった改修計画が必要となってきます。つまり、基本的に維持保全管理しながらそのまま使う部分(主に主要構造部、躯体部分)と15~30年のサイクルの中で取り替えを前提として維持管理していく部分(水回りや空調機器など)に分かれます。

上記部分は、建築全体からみれば細部であって、建物を全体で考えるときマクロな部分とミクロな部分を考える必要があります。

【一般的事務所の場合】

マクロな部分での考え方に、ライフサイクルコストという考え方があります。
ライフサイクルコストは、建物が生まれて役目を果たして解体されるまでのコストのことをいいます。

右に表してあるように当初建設関係の費用は、竣工後の一般管理費、修繕、更新費、保全費などに比べると1/4程度と言われています。
将来の維持管理費を当初計画から取り入れた設計や建設が長い意味でのよい建築と考えます。そんな建築士からのインフォームドコンセントが施主側の建物に対しての理解につながるもののと
思います。

建物は、竣工後は社会的にも入利用者に対してもすべての責任を施主が負います。施主側ももっともっと建物を理解してもいいのではないでしようか。内外装材料や強弱電気設備、給排水設備、空調換気システムや防災、防犯設備それらがいつ頃メンテナンスや定期点検、修繕、取替えを迎えるのか、そのためにどれぐらいの費用が掛かっていくのか、そのような維持保全計面も必要だと思います。建物の維持管理は経営そのものだと思います。

最小の予算で最大の効率をめぎした設計を目標に、ライフサイクルでものを考え、維持管理、エネルギー管理、リスクマネ・-ジメント、最新の技術や材料等を考慮した設計を提案いたします。

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